私が撮りたかった女優展のこと、その2

『私が撮りたかった女優展 II』 が終了しました。混乱した世相のなかわざわざ会場までお越しいただいたみなさん、ありがとうございまいました。ここでは今回取り組んだことについてお話ししたいと思います。

プリント

あえて額装せず一枚のペーパーに連続した組写真でプリントしました。写真はかなり大胆にトリミングしてレイアウト、きるだけたくさんの写真を見てもらえるようにしました。壁面にクリップで留めるだけですが長い余白を設けて床面でロールさせて野暮ったくならないようにしました。サイズは以下の3種です。

 

600x3000mm
800x3000mm
1100x3000mm

 

実際の印刷面は高さ1800mmで統一、あとは余白です。これを全部で6枚展示しました。ちなみに、プリンターは以前からお世話になっているフラットラボの霊山さんにお願いしました。印刷は、エプソンのプロフェッショナルフォトペーパーでインクジェットプリントです。

アイデア

SNSでの手法がインスピレーションになっています。限られた投稿枚数のなかでいかに物語を表現できるか、複数の写真を組み合わせることで新たな意味を生みだし鑑賞者自身にその物語を立ち上げてもらうことを委ねる。そして、スマホでの閲覧を想定した縦長の画像に写真をレイアウトする。いわばSNS的な見せ方をリアルの展示で再現してみるとどうなるか、という試みでした。

SNSとの連動

展示期間中には、ツイッターやインスタのストーリーズにアザーカットを中心に展示方法と連動した組写真を公開しました。SNSでは各種デバイスのモニターサイズで見て、会場では大きなプリントで見ていただけるようにしました。

まとめ

同じ写真でも、SNSと写真展での見え方を別々のものにするのではなく、シームレスにすることで逆にそれぞれのプラットフォームの良さや違いが浮き彫りになるのでは? 手のひらの中と現実の空間という体験の違いを乗り越え、ひとつの作品として見ていただくことは可能か? という自分なりの課題に取り組んでみました。もちろん見ていただき方は自由ですが、展示の背景にはそんな意図がありました。いかがでしたでしょうか?

 

最後に、ストーリーズで公開した組み写真を置いておきます。鑑賞者がスマホのモニターをタップすると展開できるようになっています。この方法についてはここにまとめていますのよかったらご覧ください。